相続人調査と相続財産調査

相続人調査は、正式には戸籍謄本の収集と相続関係説明図の作成を通じて行います。おそらく、相続に直面した多くの方が一番始めにとまどってしまうのが、相続人調査であると思います。

『親から子供へ』といった簡単な戸籍であればまだしも、相続においては複雑な戸籍を読み解いて相続関係を明確にし、そのうえで、銀行の預金や土地・建物の名義変更の申請を進めなくてはならない場合が多いからです。

そして、財産調査について、最近では下記のような困りごとも少なくありません。

被相続人とあまり面識が無かったので、相続財産がどれくらいあるのか分からない・・・
兄弟で仲が悪く、亡くなった両親と同居していた方が預金通帳を握っていて相続財産がどれくらいあるのか分からない・・・
相続人のひとりが、法要等の費用を理由に相続手続きを仕切ってしまい、どんな状況なのか、どれくらい財産があるのか分からない・・・

こんな場合は、弁護士、司法書士、税理士等の相続手続きのプロにご相談ください。
どの専門家に依頼するかは、それぞれ事案や予算に応じて選択すると良いと思います。

どこに相談して良いかわからない、そんな方は当事務所へご連絡下さい。
まずは内容をお聞きした上で、当事務所で対応できない事案の場合は、弁護士、税理士をご紹介致します。

法定相続人について

誰が相続人となるのか

法律で定められた相続人のことを「法定相続人」といいます。
では、法定相続人はどのような規定で決まるのでしょうか?誰が法定相続人になるかは民法の規定により確定します。

民法では配偶者および被相続人との血縁の深い者を優先的に法定相続人とするように規定しています。
具体的には一定の法則があり以下のようにして法定相続人を確定していきます。

妻または夫(=配偶者)

常に法定相続人となります

第1順位 子

配偶者とともに常に法定相続人となります

第2順位 父母

被相続人に子がいなかった場合に配偶者とともに法定相続人となります。

第3順位 兄弟姉妹

被相続人に子も父母もいなかった場合に配偶者とともに法定相続人となります。

例1  被相続人に(=配偶者)とがおり、父母がいる場合

配偶者は常に法定相続人となります。父母は子がいるので法定相続人となりません。

例2  被相続人にはいるが子はおらず、がいる場合

配偶者は常に法定相続人となります。被相続人に子がいなかった場合なのでのが法定相続人になります。なお、は父母がいるので法定相続人となりません。

例3  被相続人にはいるが子はおらず、父母がいないががいる場合

配偶者は常に法定相続人となりますので法定相続人です。被相続人に子も父母もいないのでが法定相続人になります。

例4  被相続人に妻、子はおらず、がいる場合

被相続人に子・妻・母・いなかった場合なのでが法定相続人です。は父がいるので法定相続人となりません。

少し特殊なケース

※被相続人に子はいるが養子である場合
養子は子と同じように扱われますので常に法定相続人になります。

※被相続人の妻が妊娠中である場合
民法では妻が妊娠中である場合に、生まれてくる子の権利を保護するために胎児を既に生まれた子と同じように扱っています。よって常に法定相続人になります。

代襲相続(孫、甥の場合)について

被相続人に子がいたが被相続人より先に亡くなっていた場合、その子の子(つまり孫)が相続人となります。これを代襲相続といい、孫を代襲相続人といいます。孫が代襲相続人の場合は子と同じように扱われますので常に法定相続人となります。
また、兄弟姉妹が法定相続人であったが被相続人より先に亡くなっていた場合にも、その兄弟姉妹の子(つまり甥)が代襲相続人となります。甥は兄弟姉妹と同じように扱われますので被相続人に子も父母もいなかった場合には配偶者とともに法定相続人となります。

法定相続人としての資格を失う場合

民法は法定相続人となる者を定めていますが、その資格を失う場合も定めています。その制度には欠格と廃除の2つがあります。
欠格
相続の争いに関して被相続人を殺そうとしたり、遺言書を偽造したというような、社会的に相続人としてふさわしくない行動をとった場合には自動的に相続人としての資格を失います。これを欠格といいます。
廃除
相続欠格ほど犯罪性はないものの、被相続人が虐待や侮辱を受けたりした場合、生前は被相続人が遺言で廃除する意思表示をした時は、遺言執行者は、その遺言が効力を生じた後、家庭裁判所に申し立てることにより、相続人としての資格を失わせることができます。これを廃除といいます。


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